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ソリューション 樹状突起の本数と長さの測定

Q: 粒子から出ている突起の本数のカウントと、突起の長さの測定はできるの?

A: Image-Pro Plusでは、1ピクセル幅の線の本数と長さを測定することができます。突起の太さが1ピクセル以上の場合、細線化フィルタなどで1ピクセル幅に細めれば 測定可能です。
手順は次のようになります。
  1. 画像を開きます。
樹状突起を持つ粒子の画像

この画像内の粒子から出ている樹状突起 (デンドライト) は太さが1ピクセル以上ありますので、細線化して太さを1ピクセルにする必要があります。
  1. "Edit" (編集) メニューの"Duplicate/Crop to AOI" (複製/AOIの切り出し) コマンドを実行し、画像を複製して2枚にします。
画像を複製
  1. まず、右側の画像内の粒子部分のみを残し、突起部分を除去します。
"Process" (処理) メニューの"Filters" (フィルタ) を実行して"Filters" (フィルタ) ダイアログを開き、"Morphological" (モフォロジカル) タブの"Open" (切断) フィルタを選択し、"11x11 Circle" (11x11円形) を選択します。
右側の画像をクリックしてアクティブにしてから、"Apply" (適用) ボタンをクリックします。これで粒子部分のみが残ります。

突起を除去

注記: ここでは、黒い背景に白い粒子が写っている画像なので、"Open" (切断) フィルタを使用しています。白い背景に黒い粒子が写っている画像なら、"Open" (切断) の代わりに"Close" (接続) フィルタを使用して下さい。
  1. 次に、左側の画像内の突起を細線化して、線幅=1ピクセルの細線にします。
同じ"Filters" (フィルタ) ダイアログの"Morphological" (モフォロジカル) タブで、"Thinning" (細線化) を選択します。
左側の画像をクリックしてアクティブにしてから、"Apply" (適用) ボタンをクリックします。これで突起が全て細線化され、1ピクセル幅になりました (中心の粒子は消えます)。

突起を細線化

注記:
白い背景に黒い粒子が写っている画像のときは、"Thinning" (細線化) フィルタを適用する前に、あらかじめ"Enhance" (強調) メニューの"Invert Image" (画像を反転する) コマンドで画像を白黒反転し、黒い背景に白い粒子が写っている画像にしておく必要があります。
  1. ここで、上記3.と4.で作成した2枚の画像を画像間演算で重ね合わせて1枚にします。
"Process" (処理) メニューの"Operations" (演算) コマンドを実行し、"Image Operations" (画像演算) ダイアログボックスを表示します。
画像間演算の設定 "1st Operand" (第1オペランド) 欄で1枚目の画像 (図の例では"Dendrites.tif") を選択します。

"Operation" (演算) 欄で"Add" (加算) を選択します。

"2nd Operand" (第2オペランド) 欄で"Image" (画像) を選択し、さらにその下の欄で、2枚目の画像 (図の例では"新規009") を選択します。

"Add to result:" (結果に加算) 欄は「0」を設定します。

"Put result in:" (結果の出力先) 欄で、"New Image" (新規画像へ) を選択します。

最後に"Apply" (適用) ボタンをクリックします。

これで、2枚の画像が重ね合わされました。これにより、粒子の本体から1ピクセル幅の 突起が出ている状態の画像ができました。
加算の結果
  1. 次に、"Measure" (測定) メニューの"Count/Size" (カウント/サイズ) を実行して"Count/Size" (カウント/サイズ) ダイアログを開き、同ダイアログの"Measure" (測定) メニューから"Select Measurements" (測定項目) を実行します。
"Measurements" (測定項目) 欄で"Area" (面積)、"Dendrites" (枝数)、"Dendritic length" (枝長さ)を選択します。

測定項目を選択

選択後、"OK"をクリックして"Count/Size"に戻ります。
  1. "Count/Size" (カウント/サイズ) ダイアログの"Manual" (手動抽出) オプションを選択してから "Select Range" (レンジを選択)  をクリックして "Segmentation" (色抽出) ウィンドウを開き、画像内の粒子と突起が赤く表示されるように画像を2値化します。
画像を2値化

終了したら、"Close" (閉じる) をクリックして"Count/Size"に戻ります。
  1. "Count" (カウント) ボタンをクリックします。これで粒子の面積、突起の本数、突起の長さが測定されます。
Results

測定結果を表示させるには、粒子を直接ダブルクリックするか、あるいは"Count/Size" (カウント/サイズ) ダイアログの"View" (表示) メニューにある"Measurement Data" (測定データ) コマンド等を実行します。