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ソリューション 拡張焦点深度

"Process"(処理)メニューの"Extended Depth of Field"(拡張焦点深度)コマンドは、それぞれ焦点深度の異なる複数の画像(部分的にピントの合った画像)を合成し、全面にわたって焦点の合った画像(フォーカス合成画像、マルチフォーカス画像)を作成します。

注記:この機能は、Scope-Proのマルチプレーンフォーカス機能に、新しいコントラスト検出アルゴリズムおよび画像の等高線マップを出力する機能を付け加えたものです。

処理対象となる画像(焦点深度の異なる複数の画像)は、通常は顕微鏡のステージを
Z軸方向へ移動しながら取り込みます。

注記
  • フォーカス合成が可能な画像の条件として、テレセントリック性(焦点深度が変わっても、被写体の像の大きさが変化しない特性)を有する光学系から取り込まれた画像である必要があります。テレセントリック性を持たない実体顕微鏡などから取り込んだ画像はフォーカス合成に適しませんので、ご注意下さい。
  • フォーカス合成できるのは、8ビットグレイスケール画像および24ビットフルカラー画像のみです。他の形式の画像は使用しないで下さい。
  • 大きさやデータ形式の異なる画像同士をフォーカス合成することはできません。

操作例:焦点深度の異なる画像をフォーカス合成する

それぞれ焦点深度の異なる10枚の画像をフォーカス合成する手順は以下の通りです。
  1. 最初に、フォーカス合成したい画像のみを、全てImage-Pro Plus上に開きます(ここでは例として、"Paper01.jpg"~"Paper10.jpg"という10枚の画像を開いています。この画像は、顕微鏡のレンズをZ方向へ移動しながら撮影した連続画像です)。
    注記:これらの画像は、前の「注記」の条件を満たしている必要があります。
  2. "Extended Depth of Field" (拡張焦点深度)コマンドを実行します。"Extended Depth of Field"ダイアログボックスが開きます。


    "Image List"(画像リスト)タブの"Available Images"(処理可能な画像)欄には、現在画面に開いている画像のファイル名が全て表示されます。

  3. "Add All >>"(全追加)ボタンをクリックして、"Available Images"欄のファイル名を全て"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄へコピーします。
    これで、"Paper01.jpg"~"Paper10.jpg"の画像がフォーカス合成の処理対象として選択されました。

    注記:
    • "Available Images"(処理可能な画像)欄で画像のファイル名を選択し、"Add>"(追加)ボタンで"Selected Frames"欄へコピーすることもできます。
    • 連続しない複数の画像を1度に選択するには、最初の画像をクリックした後、[Ctrl]キーを押しながらその他の画像を選択していきます。連続する複数の画像を1度に選択するには、最初の画像をクリックした後、[Shift]キーを押しながら最後の画像をクリックします。
    • 選択された画像の枚数は、ダイアログボックスの下部に表示されます。
    フォーカス合成する画像ファイルがシーケンス画像ファイル(*.seq)の場合は、"Selected Images"[処理される画像(フレーム)]欄にファイル名が表示され、その後のカッコ内にフレーム番号が表示されます。

  4. "Focus Settings"(フォーカス合成の設定)タブをクリックして前面に出し、"Output options"(実行オプション)欄から"Generate composite best-focus image"(フォーカス合成画像を生成する)オプションを選択します。

  5. "Focus analysis options"(フォーカス合成方法の指定)欄から"Normalize illumination"(輝度を標準化する)オプションを選択し、その下の"Maximum local contrast"(局部コントラストが最大のピクセルを抽出)を選択します。



  6. "Create"(実行)ボタンをクリックします。これでフォーカス合成画像が作成され、画面に表示されます。

    画像全体にわたって焦点が合っています