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ソリューション 凝集した粒子を分離する

Q: 凝集していて、互いに接触している粒子をうまく分離できないか?

A: 凝集度がそれほど高くなく、かつ凸型ないし円形の粒子であれば、「カウント/サイズ」で一旦カウントを実行した後、「カウント/サイズ」ダイアログの「編集」メニューにある「自動分割」や「Watershed 分割」コマンドで概ね分離できます。
凝集度が高い粒子や、不定形の粒子の場合は、主に「処理」メニューの「フィルタ」にある各種フィルタと「演算」ツールを利用して、次のような処理を行ないます。

  1. 原画をコピーして残しておきます (原画は後の処理で使用します)。

  2. 不定形の粒子の場合は、「処理」メニューから「フィルタ」を実行し、「フィルタ」ダイアログの「エッジ抽出」タブにある各種フィルタや、「モフォロジカル」タブにある「ウェル」、「トップハット」フィルタなどで粒界を強調しておくと、以下の処理がやりやすくなることがあります。

  3. また、必要に応じ、「強調」タブの「平坦化」フィルタなどで画像の背景を平坦化しておきます。

  4. 「フィルタ」ダイアログの「モフォロジカル」タブにある「収縮」・「膨張」フィルタと「切断」・「接続」フィルタを交互に数回適用して、粒子を収縮させます。これにより、凝集している粒子が切り離されます。


    この時、粒子が大きく変形しますが、以下の処理結果には殆ど影響しません。

  5. 処理結果の画像を、「モフォロジカル」タブの「縮退」フィルタ、「細線化」フィルタや「プルーニング」フィルタなどで Voronoi 多角形の画像に変換します。


    注記: ここで処理する画像は、必ず粒子が黒く、背景が白い画像である必要があります (必要に応じて、「強調」メニューの「画像を反転する」コマンドで画像の白黒を反転して下さい)。

  6. 最後に、「処理」メニューの「演算」で画像間演算ツールを開き、Voronoi 多角形の画像を画像間演算 (加算または OR 演算) で原画と重ね合わせます。


    これにより、粒子が切り離されますので、切り離された粒子を「カウント/サイズ」などで測定できます (「カウント/サイズ」の「オプション」ボタンで、「4連結」オプションを選択してから測定して下さい。上記の処理で作成した Voronoi 多角形の線の太さは1ピクセルしかないため、4連結にしないと、粒子どうしがつながって測定されてしまうことがあります)。


ご参考: 次のページに類似処理の解説があります。
繊維断面を測定する
凝集した円形の粒子の径を測定する