伯東株式会社 システムプロダクツカンパニー
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Image-Proの画像解析の例
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繊維断面を測定する
Q:
繊維の断面を計測しているが、繊維どうしが接触しているのでやりにくい。切り離すのに何か良い方法はないか?
繊維の断面画像(繊維同士が接触しています)
注記:
この画像 ("Fiber.tif") は、インストールディスクの "Images" フォルダにある "More" フォルダにあります。
A:
このような画像は、以下の操作例の手順で処理可能です。
「ファイル」-「開く」コマンドで "Fiber.tif" ファイルを開いた後、「処理」-「フィルタ」を実行します。「強調」タブの「平坦化」フィルタを選択し、その下の「オプション」欄で「背景」を 「明るい」に設定し、「オブジェクト幅」を「60」に設定します。「適用」をクリックすると平坦化フィルタが画像に適用され、画像の背景が平坦化されます。
次に、「モフォロジカル」タブにある「収縮」フィルタを選択し、「オプション」欄で「3×3十字」を選択してから「適用」ボタンをクリックします。
これで、繊維断面の外周の黒い境界が太くなります。
注記:
「収縮」フィルタとは、画像内の白い領域を収縮させ、反対に黒い領域を膨張させるフィルタです。ここでは、繊維断面の黒い境界を太くするのに使用しています。
次に、「測定」-「カウント/サイズ」を実行し、「手動抽出」-「レンジを選択」をクリックして「色抽出」ウィンドウを開きます。2値化の輝度レンジの下限を「132」、上限を「165」に設定します。
設定したら、「閉じる」をクリックします。
「カウント/サイズ」の「測定」-「測定項目」を実行して「測定項目」ダイアログボックスを開き、「選別レンジ」欄で「面積」をクリックします。
「選別レンジ」の「最小」を「50」、「最大」を「3000」に設定し、「OK」をクリックします。
注記:
この最小と最大の値は、画像に空間較正がかかっていない場合 (単位がピクセルの場合) の値です。画像に較正がかかっている場合は、それに応じて値を変更する必要があります。
「カウント/サイズ」の「オプション」ボタンをクリックして「カウント/サイズのオプション」ダイアログボックスを開き、以下のように設定します。
「4連結」を選択
「平滑化」を「5」に設定
「穴を埋める」を選択
「カウント」をクリックします。これで自動測定が実行され、繊維の断面が自動計測されます。
次に、「カウント/サイズ」の「画像」メニューにある「マスクを作成」を実行します。これで、上の5.で測定された繊維が白く抜き出された画像(通常は、「新規1」という名前の画像になります) ができます。
マスク画像
「強調」メニューの「画像を反転する」コマンドを実行し、画像を白黒反転します。
反転後のマスク画像
次に、再び「フィルタ」ダイアログボックスで「モフォロジカル」タブをクリックし、「細線化」フィルタを選択して「適用」をクリックします。
細線化フィルタによるボロノイ (Voronoi) 多角形
これにより、向かい合った繊維断面同士の中間を通る線 (ボロノイ曲線) が引かれ、ボロノイ多角形の画像ができます。以下の処理で、接触する繊維断面同士を分離するために、この曲線を利用します。
「モフォロジカル」タブの「プルーニング」を選択し、「適用」をクリックします。これで、「枝」の部分が消えます。
「枝」を払った状態
「モフォロジカル」タブの「膨張」を選択し、「オプション」欄で「2×2正方形」を選択してから、「適用」をクリックします。この処理により、線がやや太くなります。
次に、「ファイル」メニューの「開く」コマンドで、"Fiber.tif" 画像をもう一度開きます。この画像は、"Fiber.tif:2" という名前になります。
「処理」メニューの「演算」をクリックして「画像演算」ダイアログボックスを開き、以下のように設定します。
「第1オペランド」で「Fiber.tif:2」を選択
「演算」で「OR」を選択
「第2オペランド」で「画像」を選び、その下の欄に、上の 6.で作成したマスク画像 (この例では「新規1」) を選択
「適用」をクリックします。
これで、元の "Fiber.tif" 画像にマスク画像 (「新規1」) が重ねられ、ボロノイ曲線が、隣り合う繊維断面を分断する白い線となって現れます。これにより、接触する繊維断面同士が切り離されます。
元の画像にボロノイ多角形を重ねた状態
(ボロノイ曲線によって繊維同士の接触部分が分断されています)
以上のように処理してから「カウント/サイズ」で測定すると、各繊維の断面積が正確に算出されます。最後に、「カウント/サイズ」の「手動抽出」-「レンジを選択」を実行し、2値化の輝度レンジの下限を「0」、上限を「170」に設定してから「閉じる」をクリックし、「カウント」をクリックして自動計測を実行して下さい。
各繊維の断面が完全に分離された状態で測定されます
ご参考:
次のページに類似処理の解説があります。
・
凝集した円形の粒子の径を測定する
・
凝集した粒子を分離する
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