以下に、 Image-Pro Plusの基本的な操作をご紹介します。操作の内容は以下の通りです。
この練習には、 約 20分かかります。
ここでは、最初の画像として、細胞の画像を開きます。
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File (ファイル)メニューから、Open(開く)コマンドを実行します。Open
File (ファイルを開く) ダイアログボックスが表示されます。
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Image-Pro Plusのアプリケーションフォルダ(通常はC:\IPWIN...)にある
Images フォルダをダブルクリックします。Open File(画像を開く)ダイアログボックスのファイルリストに、Images
フォルダの中身が表示されます。
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ファイルリストにある"Slide.tif"をクリックします。"Slide.tif"のファイル名が、ファイルリストで反転表示されます。これは、このファイルが選択されていることを示します。
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Open(開く)ボタンをクリックします。
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Image-Proは、"Slide.tif"の画像を、一つの画像ウィンドウとして開きます。
>> 次のステップ「BCGつまみを使用して画質を改善する」に進みましょう。
■ BCGつまみを使用して画質を改善する
次に、輝度、コントラスト、ガンマ調整つまみ(BCGつまみ)により画質を改善します。このステップでは、画像の表示だけでなく、画像のピクセルの値も変更します。
まず、画面上部のツールバーにあるコントラスト強調ボタン(
)をクリックして、BCGつまみを表示します。
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1. 最初に、「輝度」の値を増加させます。
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2. 次に、「コントラスト」の値を増加させます。
背景とオブジェクトを見分け易くするために、コントラストつまみ( )で画像のコントラストを強くします。カーソルを、コントラストつまみ( )の の上に置きます。
つまみの下に「76」と表示されるまで、コントラストつまみを上へドラッグします。これにより、画像内の細胞(小さな円形のオブジェクト)と背景のコントラストが大きくなります。
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3. 「ガンマ」の値を減少させます。
明るい背景の輝度の違いをさらに詳しく表示するために、ガンマ値を減少させます。ガンマ値を低くすると、画像の明るい部分のコントラストが大きくなります。ガンマ値を高くすると、画像の暗い部分のコントラストが大きくなります。
カーソルを、ガンマ補正つまみ( )の の上に置きます。つまみの下に「0.9」と表示されるまで、ガンマ補正つまみを下へドラッグします。
これで、画像内にある背景、気泡、細胞、細胞核等の要素が全て見分けられるようになりました。
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4. |
画像内の細部を見分けるには、画像の表示を拡大します。
ツールバー上にある虫メガネ形のズームツールボタン()をクリックして下さい。
クリックするとボタンが凹んだ表示になり、アクティブになったことを示します。
この状態でカーソルを画像の中に入れると、カーソルが虫メガネの形になります。画像内の拡大したい部分をクリックします。
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1回クリックする度に、画像の表示サイズが2倍になります。
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5. |
画像の状態を確認したら、[Shift]キーを押しながら画像内をクリックします。
1回クリックする度に、画像の表示サイズが1/2に縮小されます。
画像の表示サイズが元に戻ったら、ズームツールボタンをもう一度クリックして非アクティブにします。
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6. |
最後に、上記の操作で変更した輝度、コントラスト、ガンマを画像に書き込みます。
これまでの手順で実行した輝度の設定値は、まだ画像データに反映されていません。BCGつまみで行なう設定の結果は、画像のピクセルの値を変換する“Lookup
Table” (LUT:ルックアップテーブル)に反映されます。その結果、画像の表示は設定に従って変化しますが、画像データはもとのままで変更されません。画像データを永続的に変更するには、
ルックアップテーブルの値を画像に適用(Apply)する必要があります。 BCGつまみの下にある
Apply (適用) ボタンをクリックします。
"Apply lookup table to the image data?"(ルックアップテーブルを画像データに適用しますか?)というメッセージが表示されます。
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OKボタンをクリックします。
これで、輝度、コントラスト、ガンマの調節が実際に画像に書き込まれます。Apply ボタンをクリックすると、輝度、コントラスト、ガンマ補正つまみが全て元の位置に戻ることに注意して下さい。
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>> 次のステップ「画像の一部分を切り出して第2の画像を作成する」に進みましょう。
このステップでは、前のステップで画質を改善した画像の中の一部分を、AOI (Area
Of Interest:「対象領域」、「領域指定」)ツールで囲みます。次に、このAOIで囲まれた部分を切り出して、新規画像を作成します。
1. 画面上部のツールバーにある矩形AOIボタン(
)をクリックします。
2. カーソルを、前のステップで開いた"Slide.tif"の画像ウィンドウに移動します。
3. 次に、マウスの左ボタンを押しながら、カーソルを右下方向へドラッグします。
マウスの左ボタンを離すと、長方形の枠(
)が画像内に残ります。
この長方形が矩形 AOI (Area of Interest: 対象領域)です。画像内にAOIを作成すると、コマンドの処理対象をAOIの領域のみに限定できます。
矩形AOIは、カーソルを枠に重ねて、カーソルが二方向矢印の形(
)になったときにドラッグすると、大きさを変えることができます。
また、カーソルを枠の内部に置き、カーソルが四方向矢印の形(
)になったときにドラッグすると、AOI全体を移動できます。
4. 画像内に AOI が表示された状態であることを確認します。
確認したら、Edit (編集)メニューから Duplicate/Crop to
AOI (複製/AOIの切り出し)コマンドを実行します。
AOIが画面に表示されていないとき(アクティブになっていないとき)は、矩形AOIボタン(
)をクリックしてAOIをアクティブにしてから、Duplicate/Crop
to AOI コマンドを実行して下さい。
AOIで囲まれた領域がコピーされて、新規の画像ウィンドウ("untitled")ができます(下図)。
>> 次のステップ「画像のリサイズ、回転、反転」に進みましょう
次に、前のステップで新規作成した画像のリサイズ、回転、反転を行ないます。
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上の 4.で新規作成した画像がアクティブになっていることを確認します。
確認したら、Edit (編集)メニューから Resize (サイズ変更)コマンドを実行します。
Resize Image (画像のサイズを変更)ダイアログボックスが表示されます。
Width (幅)の数値を「200%」に増やして下さい。
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Resize Image (画像のサイズを変更)ダイアログボックスのOKボタンをクリックします。
大きい新規画像が開きます。
この画像は、前のステップの 4.で作成した画像を拡大複製したものです。
Resize (サイズ変更)コマンドは、画像の解像度を変更することで画像を実際に拡大・縮小します。拡大するときはピクセルを補間し、縮小するときは間引いています。
これに対し、「ズームツール」(
)は、画像の解像度を変更せずに、画像の表示のみを拡大・縮小するツールです。
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Edit メニューの Rotate (回転)コマンドを選択します。
Rotate(回転)ダイアログでRotate Image 90 deg. Clockwise(90°右回り)を選択し、OKボタンをクリックします。
これにより、上の 2.で作成した画像を時計回り(右回り)に 90°回転した画像が作成されます。
回転した画像は新規画像ウィンドウ("untitled")に表示されます(下図)。
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Enhance (強調)メニューから Invert Image (画像を反転する)コマンドを実行します。
この操作で、画像が白黒反転し、写真の「ネガ」のような画像になります。
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最後に、Window
(ウィンドウ)メニューのClose All (全てを閉じる)コマンドを実行します。
保存されていない画像を保存するか、それとも破棄するか確認を求めるメッセージが表示されます。
No All (全て破棄)ボタンをクリックします。これにより、画面上の全画像を保存せずに閉じます。
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File (ファイル)メニューの Exit (終了)コマンドをクリックします。