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Extended Depth of Field(拡張焦点深度)コマンドのオプション

"Extended Depth of Field"コマンドで開く"Extended Depth of Field"ダイアログボックスには、"Image List"(画像リスト)タブと"Focus Settings"(フォーカス合成の設定)タブがあります。

"Image List"(画像リスト)タブ

●"Available Images"(処理可能な画像):
Image-Pro Plus上に開かれている画像ファイル名が表示されます。この欄内に表示されて画像ファイル名から処理対象の画像を選び、右の"Selected Images"(処理される画像)欄にコピーします。コピーするには、"Add All>>"(全追加)ボタンをクリックして全てのファイル名をコピーするか、あるいは"Available Images"欄で選択したファイル名を、"Add >"(追加)ボタンで個別にコピーします。

この欄で1つの画像を選択すると、その画像と同一のサイズ、かつ同一のデータ形式の画像のみが欄に残り、他の画像は消えます。

この欄では、シーケンス画像(*.SEQ)も選択可能です。シーケンス画像ファイルに含まれる複数のフレームをフォーカス合成するときは、"Sequencer Toolbar"(シーケンサーツールバー)の左端 (またはImage-Pro Plusのステータスバーの左端)にある複数フレームボタンを選択して下さい。

images\img00007.gif
複数フレームボタンを選択すると、"Available Images"欄に表示されるシーケンス画像のファイル名に、選択可能なフレームの枚数が表示されます。

images\img00008.gif

上図のように、"(30 of 30)"のように表示されているときは、シーケンス画像ファイル内の全フレームが選択されています。これが"(1 of 30)"のように表示されるときは、シーケンス画像内の、現在アクティブになっている1枚のフレームのみが選択されている状態です。複数のフレームを選択するには、複数フレームボタン()を選択して下さい。

シーケンス内の全フレームでなく、一部のフレームのみをフォーカス合成に使用したいときは、"Sequencer Toolbar"で先頭フレーム("Start")と最終フレーム("End")を設定して下さい(下図)。

images\img00009.gif

"Available Images"欄と"Selected Frames"欄の表示(カッコ内の数字)が、先頭フレームから最終フレームまでのフレーム枚数になります(上図)。 【シーケンス画像ファイル内のフレームの選択について、詳細は"Sequence Tools"(シーケンスツール) コマンドの項にある「操作範囲の限定」をご覧下さい】。

  • "Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]: この欄には、実際にフォーカス合成の処理に使用される画像名(またはシーケンス画像ファイルのフレームの番号)が表示されます。"Available Images"(処理可能な画像)欄で選択し、"Add>"(追加)ボタンまたは"Add All>>"(全追加)ボタンでコピーした画像ファイル名が、この欄に表示されます。シーケンス画像の場合は、選択したフレームの番号がカッコ内に表示されます。
  • "Add>"(追加)ボタン:"Available Images"(処理可能な画像)欄の画像ファイル名をクリックして選択し(この時、画像ファイル名が反転表示になります)、このボタンをクリックすると、選択中の画像ファイル名が"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄に追加されます。重複チェックはなく、同じ画像を何度も追加できます。"Available Images"(処理可能な画像)欄で選択中の(反転表示された)画像ファイル名を選択解除したいときは、再度同じ画像ファイル名をクリックして下さい。

    シーケンス画像の場合、"Sequencer Toolbar"(シーケンサーツールバー)の複数フレームボタン()を選択した状態でシーケンス画像を選択し、"Add>"(追加)ボタンをクリックすると、"Sequencer Toolbar"上の先頭フレーム("Start")から最終フレーム("End")までの範囲のフレームが、"Selected Frames"(処理される画像)欄に追加されます。単一フレームボタンを選択して"Add>"(追加)ボタンをクリックすると、現在表示中のフレーム("Current")だけが"Selected Frames"欄に追加されます。複数フレームか単一フレームかは二者択一で、例えば1フレーム目と、6フレーム目~10フレーム目を同時に追加することはできません。このような場合は、シーケンス画像ファイルからあらかじめ必要なフレームのみを抽出して個別の画像ファイルにしておき、それぞれを追加して下さい。
  • "Add All>>"(全追加)ボタン:"Available Images"(処理可能な画像)欄に表示されている全画像を"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄に追加します。サイズやデータ形式の異なる画像が"Available Images"(選択可能画像)欄に混在している場合は、欄の一番上に表示されている画像と同一サイズ・同一データ形式の画像のみが追加されます。

    注記: このボタンは、"Available Images"欄と"Selected Images"欄の内容に重複があるかどうかのチェックは行ないません。"Available Images"欄の内容を"Selected Images"欄へ単に追加するだけです。
  • "Remove<"(削除)ボタン:"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄に表示されている画像を処理対象から外すボタンです。"Selected Frames"欄で画像をクリックして選択してから、このボタンをクリックして消去します。
  • "Clear<<"(クリア)ボタン:"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄に表示されている全画像ファイル名を欄から消去します。
  • "Stack Order"(処理順): この欄のボタンで、"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄に表示されている画像の処理順を指定します。画像の処理順は、特に"Generate topographic map"(等高線マップを作成する)オプションで等高線マップを作成するときに重要になるほか、フォーカス合成の処理でも結果に影響を与えることがあります。

    ・ "Top Down"(上から下へ): このオプションを選択すると、"Selected Frames"欄に表示されている画像を、そのままの順番で(上から下へ)処理します。

    ・ "Bottom Up"(下から上へ): このオプションを選択すると、"Selected Frames"欄に表示されている画像を、逆順で(下から上へ)処理します。なお、このオプションを選択しても、"Selected Frames"欄の画像ファイル名の順序は変化しません。

  • "Move Up"/"Move Down"(上へ/下へ)ボタン: "Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄の1個の画像ファイル名をクリックして選択し、このボタンをクリックすることで、順序を変更することができます。これは、欄内の画像が正しい順番に並んでいないときに行ないます。特に"Generate topograhic map"(等高線マップを作成)オプションを使用して等高線マップを作成するときは、"Selected Frames"欄の画像を正しい順番で並べる必要があります。

    "Move Up"/"Move Down"ボタンは、"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄に複数の画像があり、そのうちのが1枚だけが選択中(反転表示)のときに使用可能となります。

    注記: 別売ソフトの Scope-Pro を使用して画像を取り込んだ場合は、各スライスのZ位置情報を画像内に記録できますが、Scope-Proがない場合は、Image-Pro Plusのマクロ(IpDocSetPosition関数)でZ位置を画像に記録することができます 【IpDocSetPosition 関数については、"Help"(ヘルプ)メニューの"Macro Language"(マクロ言語) をご覧下さい】。
  • "Select Default Plane"(基準画像の選択)ボタン: フォーカス合成機能のアルゴリズムが、画像内に焦点の合った部分を発見できないときに、このボタンで基準画像(基準面、基準スライス)として使う画像を指定します。このボタンをクリックすると次のダイアログボックスが表示されますimages\img00010.gif
  • "Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]:この欄は、"Image List"(画像リスト)タブの"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄と同じです。シーケンス画像の場合は、カッコ内にフレーム番号が表示されます。
  • "Select As Default Plane"(基準画像に指定)ボタン: 基準画像(基準スライス)に指定したいフレームを"Selected Frames"欄でクリックして選択し、このボタンをクリックして指定します。
  • "Activate selected image"(選択した画像をアクティブにする): このオプションを選択すると
  • 、"Selected Frames"欄で選択された画像が Image-Pro Plus上でアクティブになります。


"Focus Setting"(フォーカス合成の設定)タブ:

images\img00011.gif

  • ・ "Output options"(実行オプション): この欄で、フォーカス合成の処理内容を決定します。この欄にある2つのオプションは、別売のScope-Proの"Acquire"タブにある"Multi Plane focus"および"Software Auto-Focus"オプションと機能的にほぼ同じです。

    ・ "Generate composite best-focus image"(フォーカス合成画像を生成する): このオプションを選択して"Create"(実行)ボタンをクリックすると、"Focus analysis options"(フォーカス合成方法の指定)欄の設定に従って、"Image List"(画像リスト)タブの"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄の画像をフォーカス合成し、結果を新規画像として作成します。

    ・ "Return best-focus frame"(最も焦点の合った画像を見つける): このオプションを選択して"Create"(実行)ボタンをクリックすると、"Image List"(画像リスト)タブの"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄に表示されている画像の中から、最も焦点の合った画像を1枚選び出し、その画像のコピーを新規画像("untitled...")として作成します。

    注記: "Return best-focus frame"オプションは、既存の画像の中から最もピントの合っている画像を選択するのみで、フォーカス合成は実行しません)。
  • "Focus analysis options"(フォーカス合成方法の指定): この欄では、フォーカス合成の方法を指定します。

    ・ "Normalize illumination"(輝度を標準化する): 複数の画像を取り込む際に、試料の輝度が変化してしまうときは、このオプションを使用して輝度を均一化します。例えば、蛍光染料は顕微鏡の光源に曝されていると劣化して徐々に暗くなりますので、最初に取り込んだ画像と最後の画像とでは輝度に差が出てきます。このような場合、このオプションを選択して補正することをお薦めします。
  • "Select Focus regions for:"(フォーカス合成方法を下記から選択します):フォーカス合成の際に、各画像から焦点の合った領域を抽出する方法を選択します。

    ・ "Maximum local contrast"(局部コントラストが最大のピクセルを抽出): この方法では、コントラストが最大の領域を、最も焦点の合った領域と見なします。あるピクセルから見て、その周囲にあるピクセルを解析します。変化が最大、つまり局部コントラストが最大のピクセルを各画像から抽出して合成します。

    ・ "Maximum through-depth contrast"(全画像平均との差が最大のピクセルを抽出): 全画像について同じ位置にあるピクセルの輝度を平均し、その平均値との輝度差が最も大きなピクセルを抽出して合成します。

    ・ "Maximum intensity"(最大輝度のピクセルを抽出): この方法は、背景の輝度よりもオブジェクトの輝度が高い蛍光染料による試料の時などに用います。各画像の同じ位置のピクセルを比較して、最も高い輝度のピクセルを抽出して合成します。

    ・ "Minimum intensity"(最小輝度のピクセルを抽出): 周囲の領域(背景)よりも暗いオブジェクトに焦点を合わせたい時に用います。全画像について同じ位置のピクセルを比較し、最も低い輝度のピクセルを抽出して合成します。

    いずれかのオプションをクリックして選択すると、そのオプションの説明がダイアログボックス右側の欄に表示されます。

  • "Topographic Map"(等高線マップ): この欄のオプションは、等高線マップを作成するときに使用します。正確な等高線マップを作成するには、別売の顕微鏡制御ソフト Scope-Pro で画像を取り込み、 Z軸方向の移動距離を画像ファイルに記録することをお薦めします。

    ・ "Generate topographic map"(等高線マップを生成する): このオプションを選択してから"Create"(実行)ボタンをクリックすると、等高線マップを作成します。具体的には、"Image List"(画像リスト)タブの"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄に表示されている画像を、"Stack Order"(処理順)欄で指定された順番に、Z軸方向へ重ねた画像を作成します。

    下記の"Display calibrated height"[輝度=高さ(Z)にする]オプションが選択されていて、かつ各画像にZ位置情報が記録されている場合は、等高線マップ画像の輝度値が実際の高さに対応します。この状態の等高線マップは、"Generate surface plot"(サーフェイスプロットで表示する)オプションを使用すると、オブジェクトの形状を3次元表示できます。

    ・ "Display calibrated height"[輝度=高さ(Z)にする]: このオプションを選択すると、画像に記録されているZ位置情報に基づいて自動的に輝度較正データ"Topographic Map Height"が作成され、これが等高線マップに適用されます(Z位置情報を等高線マップの輝度値に対応させます)。この輝度較正データでは、輝度値が高さ(Z方向)の位置(単位はμm)として表現されます。

    注記: 別売りのScope-Proを使用して画像を取り込むと、画像にZ方向の位置情報を記録できます。Scope-Proがない場合は、Image-Pro Plusのマクロ関数 IpDocSetPosition 【"Help"(ヘルプ)メニューの"Macro Language"(マクロ言語) を参照】で位置情報を画像に記録できます。

    ・ "Generate surface plot"(サーフェイスプロットを生成する): このオプションと"Generate topographic map"(等高線マップを生成する)オプションの両方を選択してから"Create"(実行)ボタンをクリックすると、オブジェクトの形状をサーフェイスプロットで3次元表示できます。

  • "Activate selected image"(選択した画像をアクティブにする): このオプションをオンにすると、"Image List"(画像リスト)タブの"Selected Frames"[処理される画像(フレーム)]欄でクリックして選択した画像が、Image-Pro Plus上でアクティブになります。画面上に開いている画像が多く、目的の画像を見つけにくい時に使用すると便利です。

    ・ "Teststrips"(テストストリップ): このボタンをクリックすると、フォーカス合成の処理条件を様々に変えながら複数のフォーカス合成画像(または等高線マップ画像)を作成し、結果(テストストリップ)をシーケンス画像の形にまとめて表示します。フォーカス合成オプションの設定方法が分からないときは、"Teststrips"を利用すると、最適の設定をすばやく見つけることができます。

    "Teststrips"コマンドでは、以下のオプション設定を切り替えながらテストストリップを作成します。

    ・ "Normalize illumination"(輝度を標準化する)オプション: このオプションの選択時・非選択時それぞれのテストストリップを作成します。

    ・ "Maximum local contrast"(局部コントラストが最大のピクセルを抽出)・"Maximum through-depth contrast"(全画像平均との差が最大のピクセル)・"Maximum intensity"(最大輝度のピクセルを抽出)・"Minimum intensity"(最小輝度のピクセルを抽出): これらのオプションを次々に切り替えながらテストストリップを作成します。

    ・ "Top Down"(上から下へ)・"Bottom Up"(下から上へ): これらのオプションを切り替えながらテストストリップを作成します。

    ・ "Generate topographic map"(等高線マップのテストストリップ): このオプションを選択してから"Teststrips" (テストストリップ) ボタンをクリックすると、フォーカス合成画像のテストストリップでなく、等高線マップのテストストリップを作成します。

    "Generate sequence gallery"(シーケンスギャラリで表示する): このオプションを選択してから"Teststrips" (テストストリップ) ボタンをクリックすると、作成したテストストリップをシーケンスギャラリに一覧表示します。最適の処理条件をすばやく見つけたいときに便利です 【シーケンスギャラリの詳細については、ここ をご覧下さい】。