ここでは、顕微鏡画像の対象物抽出の課題と2値化に有効なフィルター処理のテクニックを解説します。
顕微鏡画像の対象物抽出の課題
実際の顕微鏡画像では、サンプルの形状や観察条件の影響により、2値化が困難なことがあります。
背景の輝度ムラ
粒子の繋がり
ノイズ
背景の輝度ムラ補正 背景輝度の均一化
背景に輝度ムラがある場合、対象物と同じ輝度の背景を拾ってしまいます。
背景の輝度ムラ補正には画像の「平坦化」フィルターを使用します。
背景成分のみ抽出し、元画像から減算して背景を均一化します。
粒子の繋がり1 境界線の強調
粒子同士の境界線があいまいな場合、粒子の分離ができず繋がって測定されてしまいます。
輪郭線の強調には「局部イコライズ」等のフィルターを使用します。
画像を局部近傍に分割し、各近傍ごとにコントラストを強調すします。
粒子の繋がり2 コントラストの強調
コントラストの強調にはハイパスフィルターを使用します。
隣接するピクセルの輝度差を強調し、輝度変化(エッジ)の画像を生成します。
ノイズ ノイズの除去
ノイズを拾ってしまい、対象物の輪郭が繋がらない場合、ローパスフィルタを使用ししてノイズを除去します。
中心ピクセルの輝度値を、隣接するピクセルの平均輝度にしてぼかします。
連続画像の輝度の均一化と位置合わせ