特定の演算のオプション

２つの画像に対して加算、減算、差分、乗算、または除算等の演算を行なう時に、以下のオプションを使って、オフセット値あるいはスケール値を設定します。オフセット値とスケール値を使うと、演算結果をその画像データ形式で許される範囲内で操作できます。

●"Add to result"（結果に加算) ：この値を指定すると、演算結果が出力先に書き込まれる前にこの値が加算されます。このオプションは特定の演算オプションを選択したときのみ表示されます。

●"Scaling factor"（スケーリング係数）：この値を指定すると、演算結果が出力先に書き込まれる前にこの値で乗算されます。このオプションは特定の演算オプションを選択したときのみ表示されます。

●"As Is"（コピー）：このオプションは、16ビットグレイスケールと12ビットグレイスケール、ないし24ビットフルカラーと36ビットフルカラーなど、異なるビット形式を持つ２つの整数画像間で演算を実行する場合のみ表示されます。"As Is"の選択時には、"Copy values without scaling" (スケーリングせずにコピー)のスケーリング方式が、画像演算に先立って適用されます。"As Is"を選択しない場合は"Scale by multiplying"（乗算でスケーリング）方式が使用され、16ビット画像にスケーリングされる 8ビット画像は256でなく257で乗算され、最下位ビットは有意な値を持ちます。

●"Put result In"(結果の出力先)：下のいずれかのオプションを選択して、指定した演算の結果の書き込み先を指定して下さい。

●"First Operand"（第1オペランドへ）：演算結果を元の画像、またはAOIに戻したい時はこのオプションを選択して下さい。演算結果は、最初に読み出されたピクセル位置と同じ位置に書き込まれます。

●"New Image"(新規画像へ)：演算結果を新規ウィンドウに書き込みたい場合は、このオプションを選択して下さい。新規作成される画像ウィンドウは、元の画像ないしAOIと同一のサイズかつ同一のデータサイズとなります。

●画像演算式： "Image Operations"（画像演算）ダイアログボックスの下部に、設定内容に合わせて演算式が表示されます。

注記：

●"Logarithm"（対数）、"Square Root"（平方根）、"Power" （べき乗）、"Exponential"（指数）は、ピクセル値を大幅に増減するため、浮動小数点形式の画像に適用する場合のみ有用です。演算対象の画像が8ビット画像の場合は、その画像をあらかじめ"Convert To"（変換） コマンドで浮動小数点形式に変換してから、演算を行なって下さい。

●"Logarithm"（対数）、"Square Root"（平方根）、" Invert"（逆数）、"Power" （べき乗）を、それぞれの演算で無効なピクセル値を含む画像に適用すると、次のような近似値を算出します。

●負の無限の演算結果は、それぞれの画像データ形式でサポートされる最小値（例： 8/12/16/24/36/48ビット画像では0）に設定されます。

●正の無限の演算結果は、それぞれの画像データ形式でサポートされる最大値（例： 8ビット画像では255、12ビット画像では4096）に設定されます。

●不定の演算結果（例： 0/0）は、それぞれの画像データ形式でサポートされる最小値に任意に設定されます。

シーケンス（複数画像ファイル）の演算に関する注記

●第１オペランドの画像がシーケンス（シーケンス１）で、 ボタン（複数フレームボタン）が選択されており、かつシーケンス内の操作対象フレームの範囲が限定されている場合["Sequence"（シーケンスツール） メニューのコマンドの「操作範囲の限定 」の項を参照]、演算で処理される画像は限定された範囲のフレームになります。

●第2オペランドが単一画像であるか、あるいは ボタン（複数フレームボタン）が選択されていない場合、第2オペランドのアクティブなフレームが、第１オペランドのシーケンスの各フレームと演算されます。

●第2オペランドの画像がシーケンス（シーケンス2）で、 ボタン（複数フレームボタン）が選択されており、かつそのシーケンス内の操作対象フレームの範囲が限定されている場合、シーケンス2内の限定された範囲のフレームが演算で使用されます。この範囲のフレーム枚数が、シーケンス１のフレーム枚数（ないしシーケンス１内で限定されている範囲のフレーム枚数）よりも少ない場合は、シーケンス2のフレームを循環させて演算を行ないます（処理が完了するまでフレームを繰り返し使用します）。