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Tile Images(画像のタイリング)コマンド

"Process"(処理)メニューの"Tile Images"(画像のタイリング)コマンドは、複数の画像を縦横に並べて位置合わせし、貼り合わせて1枚の画像にするツールです。
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1つの顕微鏡視野に収まらない、大きな領域を電動ステージ等で個別の複数画像として取り込み、それを貼り合わせて大サイズの高精細画像を作成する時や、パノラマ画像を作成する際に便利です。

一般的な操作手順
Tile Images(画像のタイリング) コマンドのオプション
その他の情報

貼り合わせ可能な画像の条件について

"Tile Images" (画像のタイリング) コマンドで貼り合わせる複数の画像(フレーム)は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 全画像が、同一のサイズ(縦横サイズ)であること。
  • 全画像が、同一の画像データ形式であること。
  • 貼り合わせる画像の合わせ目部分に、大きな歪みがないこと
  • 自動貼り合わせを行なう場合、基本的に、隣接する画像間に一定の重なりがあること。
    注記:
    • 画像ごとに重なり幅がひどく不均一の場合、自動貼り合わせに失敗することがあります。そのような場合は、手動補正が必要になることがあります。
    • 重なりのない画像を自動貼り合わせする場合は、それぞれの画像に位置情報が記録されていることが必要です。例えば、顕微鏡ステージ制御ソフトScope-Proで取り込んだ場合、それぞれの画像のXY絶対位置が記録されます。この場合、"Inputs"(入力)タブの"Set from Frames"(画像が持つ位置情報で配置)オプションを使用して貼り合わせを行います。
    注記: 画像に位置情報が記録されていない場合、自動貼り合わせを行なうためには、隣接する画像間に少なくとも1ピクセルの重なり幅が必要です。
  • 縦横方向に隣接する画像の重なり部分に、共通の特徴物が写っていること。
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    注記: 隣接する画像内に共通の特徴物が全くない場合、自動による貼り合わせは困難です。この場合、"Adjust"(手動調整)ボタンで手動による貼り合わせを行なう必要があります。
  • 画像内にミクロンバー等の、本来の被写体でないものが写っていないこと。
  • 貼り合わせる画像の向き(方位)が一定であること。向きが一定でない場合は、あらかじめ"Edit"(編集)メニューの"Rotate"(回転)コマンドで画像の向きを合わせて下さい。
  • 基本的に、貼り合わせる画像の組の中に、欠落している画像がないこと。
    例えば、下図のように縦横3×3の画像を貼り合わせる場合、9枚の画像の組が完全に揃っている必要があります。もし画像が欠落している場合は、"Inputs"(入力)タブの"Insert Blank"(空白を挿入) ボタンで、欠落している位置に空白を挿入する必要があります 【「貼り合わせる画像の組に欠落がある場合 」を参照】。
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一般的な操作手順(互いに重なりのある画像の自動貼り合わせ)

  1. 貼り合わせる画像を全て画面に開く。
    注記:貼り合わせ対象の画像は、上記の「貼り合わせ可能な画像の条件について」に示した条件を満たしている必要があります。
  2. "Process"(処理)メニューの"Tile Images"(画像のタイリング)コマンドを実行して、"Tile Overlapping Images"(重なりのある画像のタイリング)ダイアログボックスを開く。
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    画面上に開いた画像ファイルの名前が、"Inputs"(入力)タブの左側の欄に一覧表示されます。
  3. "Inputs"(入力)タブの左欄で処理対象の画像をクリックして選択し、"Add>"(追加)ボタンをクリックして右欄へ移す。

    処理対象の画像のファイル名が、全て右欄内に表示されるようにして下さい。images\ebx_1673310901.gif
    注記

    ・ 左欄内の画像ファイル名を全て右欄へ移すときは、"All>"(全追加)ボタンをクリックします。

    ・ 左欄内の画像ファイルを一つずつ右欄へ移すときは、左欄でファイル名をクリックして選択し、"Add>"(追加)ボタンをクリックして右欄へ移します(あるいは、左欄内でファイル名をダブルクリックします)。

    ・ 左欄内で複数のファイル名を同時に選択したいときは、[Ctrl]キーを押しながらファイル名をクリックして選択し、"Add>"(追加)をクリックして右欄へ移します。

    ・ 右欄のファイル名を消去したいときは、そのファイル名をクリックして選択してから、"Remove<"(削除)ボタンをクリックして消去します。

    ・ 右欄のファイル名を全て消去したいときは、"Clear"(クリア)ボタンをクリックします。

    ・ 右欄へファイル名を移したときに、一部のファイル名が消えてしまったときは、消えた画像の大きさや画像データ形式が、他の画像と一致していない可能性があります。貼り合わせる画像は、大きさや画像データ形式が全て一致している必要がありますので、一致しない画像は右欄に表示されません 【「貼り合わせ可能な画像の条件について」をご覧下さい】。

    注記: 右欄へ追加した画像がシーケンス画像ファイル(複数のフレームを含むファイル)の場合、右欄にはシーケンス画像の名前が1つだけしか表示されません。シーケンス画像に含まれる全フレーム名を右欄に表示したいときは、"Inputs"(入力)タブの"Full Listing"(全フレーム名を表示)オプションを選択して下さい。

  4. 右欄内の画像ファイル名が、正しい順に並んでいることを確認する。正しい順に並んでいない場合は、画像ファイル名をクリックして選択してから、"Move Up"(上へ)ボタンないし"Move Down"(下へ)ボタンをクリックして順序を入れ替える。
  5. "Show Layout"(全体のレイアウトを表示)ボタンをクリックする。これで、"Tile Layout Preview"(タイリングのプレビュー)が表示されます。
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  6. まず、"Inputs"(入力)タブの"Grid"(横×縦)欄で、画像の実際の構成に合わせて、貼り合わせる横・縦枚数を指定する(上図の例では横2枚、縦2枚なので、「2×2」を選択します)。
    images\ebx_-637560123.gif
    注記:"Grid"(横×縦)欄では、欠落のある画像の組は選択できません(例えば、実際には3×3=9枚の構成なのに、欠落があって計8枚しかないときは、"Grid"欄で「3x3」を選択することができません)。 欠落がある場合は、この6.の手順の代わりに、「貼り合わせる画像の組に欠落がある場合 」のa.~c.のように操作して下さい。
  7. "Tile Layout Preview"(タイリングのプレビュー)を見ながら、各画像(各フレーム)の配列に問題がないか調べ、問題があれば設定を変更する。

    上の5.の図のように画像の配列が正しくない場合、"Inputs"(入力)タブの次のオプションを使用して、正しい順に直して下さい。

    ●どのオプションも指定しない: ●"Zig-Zag Ordering"(1行ごとに反転):
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    ●"Reverse X"(左右反転): ●"Reverse Y"(上下反転):
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    ●"Vertical Ordering"(縦向き):  
    images\ebx_357179121.gif
    下図左の例を見ると、1段目の画像は正しく並んでいますが、2段目は左右逆向きになっています。従って、"Zig-Zag Ordering"(1行ごとに反転)を選択します。

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    "Tile Layout Preview" (タイリングのプレビュー) ウィンドウの画像が正しく配列されます(上図右)。
  8. これ以降の手順では、"Tile Layout Preview"(タイリングのプレビュー) ウィンドウを見ながら、画像の貼り合わせ位置を決定するパターンマッチングのオプション設定を行ないます。"Options"(オプション)タブの"Tiling Method" (タイリング方式)欄で、"Fourier Correlation"(フーリエ相関)を選択する。
    images\ebx_-1313169202.gif
  9. 次に、"Tile Layout Preview" (タイリングのプレビュー)を見て、隣り合う画像の重複部分に共通して写っている特徴物を見つける。
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  10. パターンマッチングを行なう範囲を指定する。

    "Tile Layout Preview"ウィンドウには、マッチング範囲を示す赤い線(縦・横それぞれ2本ずつ、計4本)が表示されています。

    Image-Proは、マッチング範囲内を比較して共通の特徴物を探し、特徴物が見つかれば、それを基準にして貼り合わせ位置を決定します。

    従って、このマッチング範囲内に、共通の特徴物が収まっている必要があります。

    images\ebx_-903673847.gif

    共通の特徴物をマッチング範囲に収めるには、"Options"(オプション)タブの"Compare overlap"(マッチング幅)欄で、"X"と"Y"の値を設定します。

    上図の例では、2本の線の間隔(マッチング幅)が狭すぎて、特徴物がその範囲に収まっていません。このため、マッチング幅を広げる必要があります。

    マッチング幅を設定するには、"Options"(オプション)タブの"Compare overlap"(マッチング幅)欄で"X"と"Y"の値を変更します。
    images\ebx_827734935.gif

  11. "Options"(オプション)タブで、パターンマッチングのオプションを指定する。選択できるのは次のいずれかです。

    ・ "Full Correlation"(完全相関): 完全なパターンマッチングを行ないます。通常は、こちらのオプションを選択して下さい。

    ・ "Phase Correlation"(位相相関): 画像内のエッジ(輝度が変化する境界線)の位置のみを基準にパターンマッチングを行ないます。貼り合わせる画像間で輝度の変化が大きいときは、こちらのオプションを使用して下さい。

  12. "Stitch method"(貼り合わせ方式)で"Gradient blend"(合わせ目をブレンド)オプションを選択する。
  13. "Always Recalculate"(常に再計算)オプションを選択する。
  14. "Apply"(適用)ボタンをクリックして画像の貼り合わせを実行する。
    これで自動貼り合わせが開始され、貼り合わせ結果の画像が表示されます。

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  15. (任意) 自動による貼り合わせの結果を手動で補正したい場合は、"Adjust"(手動調整)ボタンをクリックして手動補正を行う 【手動補正の操作については、「手動で貼り合わせ結果の補正を行なう場合」をご覧下さい】。
  16. (任意) "Tile Overlapping Images"(重なりのある画像のタイリング)ダイアログボックスの設定値を設定ファイルに保存して再使用したいときは、"Options"(オプション)タブの"Save Tiling"(設定を保存)ボタンをクリックしてファイル名を指定し、設定値を設定ファイル(拡張子"*.IPT")に保存する。

    保存済みの設定ファイルを開いて再使用するには、"Inputs"(入力)タブで処理対象の画像を選択し、右欄に移した後で、"Load Tiling"(設定をロード)ボタンをクリックして設定ファイル(拡張子"*.IPT")を開く。

    注記: 一部の設定値(処理対象の画像の名前など)は、設定ファイルに保存されません。また、設定ファイル保存時に選択していた画像の枚数が、設定ファイルの再呼び出し時に選択されている画像の枚数と一致しない場合、エラーが表示されます。

画像のタイリング - その他の情報

  • 同一の設定条件でタイリングを繰り返す場合

    顕微鏡の電動ステージを使用して取り込んだ画像を貼り合わせる場合など、常に同一の設定条件でタイリングする場合は、(パターンマッチ処理をせずに)単に貼り合わせ処理のみを繰り返した方が高速で効率的です。この場合は、次のように操作します。

    a. 最初の1回の貼り合わせは、「一般的な操作手順 」の1.~14.を全て実行します。

    1回目の貼り合わせを実行すると、"Tile Overlapping Images"(重なりのある画像のタイリング)ダイアログの下部に"Results available"(同一条件で再処理可能)と表示されます。
    images\ebx_-1805590615.gif
    b. 2回目以降は、上記「一般的な操作手順」1.~4を実行した後、"Always Recalculate"(常に再計算)オプションを非選択にしてから、"Apply"(適用)をクリックして貼り合わせを実行する。これにより、パターンマッチを省いて貼り合わせのみを実行できます。

  • 重なりのない画像を貼り合わせる場合

    重なりのない画像を貼り合わせるには、次の2つの方法があります。
    • Scope-Proで取り込んだ画像を"Set from Frames" (画像が持つ位置情報で配置) で貼り合わせる

      Scope-Proで電動ステージを制御しながら、(Guard Frameを使わずに)取り込んだ画像には重なりがありませんが、それぞれの画像に絶対位置(Scan Area内の各画像の絶対位置)が記録されていますので、その情報に基づいて貼り合わせを行なうことができます。

      この場合は、上記「一般的な操作手順」の1.~3.の手順を実行した後、"Options"(オプション)タブの"Tiling Method"(タイリング方式)欄で"User Defined"(ユーザ定義)オプションを選択してから、"Inputs"(入力)タブの"Set from Frames" (画像が持つ位置情報で配置)ボタンをクリックし、"Apply" (適用) ボタンで貼り合わせを実行します。

    • 手動で貼り合わせる

      画像を全て手動操作で貼り合わせるには、「一般的な操作手順 」の1.~7.を実行した後、"Adjust"(手動調整)ボタンをクリックして手動で貼り合わせ位置を調整します 【詳しくは、「手動で貼り合わせ結果の補正を行なう場合」をご覧下さい】。

  • 貼り合わせる画像の組に欠落がある場合

    "Inputs"(入力)タブの"Grid" (横×縦)欄では、次の例のように欠落のある画像の組を選択できません。
    images\ebx_973311429.gif
    上図の画像は横3枚×縦3枚の構成(3x3)ですが、実際には1枚分の欠落があるため合計8枚の組となり、"Grid"(横×縦)欄で「3x3」を選択できません。

    このような場合、"Insert Blank" (空白を挿入)ボタンで空白を挿入して画像の枚数を合わせてから "Grid" (横×縦)欄で横・縦枚数を選択し、さらに挿入した空白の位置を指定する必要があります。

    具体的には、以下のa.~c.のように操作します。

    a. "Inputs"(入力)タブの"Insert Blank"(空白を挿入)ボタンをクリックして、右欄に"<blank>"(空白)を挿入し、欠落を「空白」で埋める。

    下の例では、空白を1つ挿入して画像の合計枚数を9枚にしています。
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    注記: 画像内の「空白」は黒い矩形として表示されます。

    b. "Grid"(横×縦)欄で横・縦の画像枚数を選択する。この例では「3x3」を選択します。

    c. 右欄で"<blank>"をクリックして選択し、"Move Up"(上へ)ボタンないし"Move Down"(下へ)ボタンで正しい位置まで移動する。
    images\ebx_1877113663.gif
    以上の操作の後、上記「一般的な操作手順」の7.以降を実行して下さい。

  • 手動で貼り合わせ結果の補正を行なう場合

    自動貼り合わせの結果に問題があり、手動による補正が必要な場合、ないし自動貼り合わせ機能を使用せずに手動のみで貼り合わせたい場合は、"Tile Overlapping Images" (重なりのある画像のタイリング) ダイアログボックスの下部にある"Adjust" (手動調整) ボタンを使用します。

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    手動による貼り合わせ手順は、以下のようになります。

    a. "Adjust"(手動調整) ボタンをクリックして"Tiling Adjustment" (タイリングの手動調整) ダイアログボックスを開く。
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    貼り合わされる画像にそれぞれ赤色の枠が表示されます。

    b. 移動させたい画像の赤枠内をクリックする。枠の色が緑に変わり、その画像が選択されます。

    c. "Tiling Adjustment"(タイリングの手動調整)ダイアログの矢印ボタンをクリックして、選択中の画像を移動させる。

  • 注記: [Shift]キーを押しながら矢印ボタンをクリックすると、画像を高速で移動できます。
    重なりのない画像を貼り合わせるときは、単純に貼り合わせ位置まで移動させて下さい。
    重なりのある画像を貼り合わせる場合、画像同士を重ねると、重なった部分が微分干渉像のように表示され、一致していない部分(位置ずれ、形状の違い、色の違いがある部分)がパターンとなって現れます。
    重なり部分に形状や色の違いがない場合、画像を移動させて完全に重なり合う位置まで来ると、パターンがほとんど消えて一面の灰色になります。

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    それぞれの画像を縦横方向へ移動して、重なり部分がほとんど一面の灰色になるか、あるいは重なり部分に現れるパターンが最小になるようにして下さい。

    注記

    ・ 自動貼り合わせを実行した後で手動調整される場合は、"Tiling Adjustment" (タイリングの手動調整) ダイアログボックスにある"Limit to potential matches" (予想される貼り合わせ位置へジャンプ) オプションを使用できます。このオプションを選択してから矢印キーで画像を移動すると、最も正しいと予想される貼り合わせ位置に自動吸着します。このオプションは、自動貼り合わせを少なくとも1回実行した後でないと使用できません。

    ・ 手動調整を全てリセットしてやり直したいときは、"Reset" (リセット) ボタンをクリックします。

d. 全画像の貼り合わせ位置を調整し終わったら、"Apply"(適用)ボタンをクリックして貼り合わせを実行する。

注記: 全画像について重ね合わせ幅(オフセット幅)が既知で、かつ幅が一定である場合は、"User Defined"(ユーザ定義) オプションでオフセット幅を指定して貼り合わせることもできます。